高校生になって沢山の友人が増えました。Uさんだけじゃなく、Mさん、Jさん、Fさんなど。他にも仲良しの友人が現れて私は充実した高校生活を送れることが出来ました。私の高校では月に1回、「合宿セミナー」というものがありまして、2泊3日学校に泊まって集団生活をする習慣がありました。昼間は普通に授業を受けて、夕方から夜にかけて学校の食堂で夕飯をとり、それから30分ほどくつろいだ後に3時間学習という自分の好きな勉強をするといったものがありました。3時間学習の間に順番にお風呂に入るっていうものありました。学校にお風呂があるなんて当時では考えられないことでした。他校からは珍しがられました。

3時間学習は夜の7:00~10:00まででした。もう夜ですから1日の疲れが出て、ウトウト居眠りする人が出ました。そうすると見張りの先生が木刀を持って肩にトントンと居眠りしてる生徒を起こしていたものです。別に居眠りしてたからと言って木刀で殴るというところまではいきませんでした。怪我の元ですから。

合宿セミナーは上級生、下級生ともに一緒に参加してましたので、いかに年が上であっても下であっても仲良くやれるようにという、コミュニケーションの場でもありました。3時間学習では私は主に英語の総復習等をやっていましたが、眠気との戦いの中で英文を見ながら、内心「こんなに長い文章が声を出してやらせたらどんなにいいだろうな~。」と考えていました。どうして会話の授業ってないのだろうか?話すってことはとても大事なはずなのに。

何回も何回も3時間学習中に頭の中がそのことでよぎり、う~ん、読み書きできるだけが本当の語学勉強なんだろうか?納得がいかない。と感じるようになったのは高校2年の時でした。でも先生には「どうして会話の授業を入れないんですか?」と聞ける勇気が私にはありませんでした。先生におせっかいな生徒と思われたくなかったからです。

あ、そういえば親友のUさん。Uさんは日本へ来て1年足らずで日本語堪能になりました。彼女にどうして日本語が堪能になれたのかその理由を聞くと、日本の中学に1年間編入出来たおかげで担当講師の教えでまずはあいうえおの五十音順から始まり、ひらがな、カタカナ、漢字等順番に声を出して読んだり書いたりする練習を何度も特訓したそうです。特に難航したのは漢字。中国に住んでた彼女は中国語と日本語の漢字の違いに違和感を覚えてでも必死に声を出して漢字の読み方、書き方を担当講師から教わったそうです。彼女だって日本来たての頃は全然日本語等話せなかったんです。でも日本に来た以上は話せないとこれから高校へも行けないということから、必死に日本語を勉強したのです。全然話せなかったのに1年少しで堪能になったのです。日本語は難しいと言われているのに。

これはもうUさんの努力の結晶です。とにかく母国語以外の言葉を話せるようになるには音読、声を出しての発声練習、それから読み書きでの勉強法をしたと聞かされました。だからUさんは日本語が上手になったのです。兄弟の中で一番上だった彼女は一番日本語の上達が早かったそうです。

ところで肝心の日本人の私たちは?英語を学んでますのに、何も話せません。Uさんの1年少したらずの日本語上達法を知らされて、毎日のように英語を授業で学んでますが、何一つ会話の知識は得られてません。不思議です。これは。

どうも納得がいきません。何故にこんなに文法ばかりにこだわる勉強法してるんでしょうか?そりゃ文法だって大切なのは分かりますが、話せないと意味がない。テストでいい点が取れても私は素直に喜べませんでした。