中学生になって初めて学ぶ英語はアルファベッドの発音からではありません。やはり英単語を書けるようになるためには、まずアルファベッドのブロック体と筆記体をマスターしなくてはなりません。ブロック体は教科書の見本そのまま書けばいいのですが、筆記体は外国人が書くようなアルファベッドのくずしたような書き方でした。

ブロック体・筆記体の教材に当時「ペンマンシップ」というものが使われておりました。表紙の絵はロンドンの兵隊の写真?イラスト?になってた覚えがあります。色はモノクロでした。懐かしいですね。これで私たちはアルファベッドや単語の描き方の練習をしていたのです。慣れない筆記体。こんなくずしたような文字が書けるようになるのか?でも本物の筆記体は本当に日本人には読めなくて、分かりませんでした。でもこれが本場アメリカ人の書く英文の文字筆記体。見た時にはこんな字で果たして読み書きできるようになるの?とさえ不安を抱かずにはいられませんでした。

「ペンマンシップ」の教材の中には4本線が引いてあり、ここに英単語、アルファベッドの書き方の練習をしました。先生からは「何でも最初から上手に書こうなんて思わないことです。何度も練習してそれぞれ書き方が上手になっていくのですよ!」と力こめて教えてくれました。慣れない手つきでの書き方の練習。何週間も続きました。特に筆記体はとても難しく、書いてる最中にあまりにもの難しさに途中で投げ出す子もいました。

その時の先生の怖い顔!今でも印象に残っています。「なんですか、その態度は!やる気がないなら出ていきなさい!」しかり方も半端じゃなかったですね、女性の先生でしたけど、今の時代だったらすぐに親出現です。「なんて教え方してるんだ?」と親の方が逆ギレですね。私達昭和の時代の先生は物凄く権力があり、怖い先生、面白い先生とハッキリしていました。

ペンマンシップではよく宿題としても出されました。先生の指示で範囲が決められ、ブロック体・筆記体の練習を繰り返しやるように言われてました。練習しているうちにあんなに難しいと感じてた筆記体が徐々に書けるようになりました。初めはあんなに悩んだのに、ウソのようです。な~んだ、ブロック体より早いし、楽にかけるではないかとこの時思いました。

私は段々筆記体で書くことの楽しさに味を覚え、先生が黒板に書く英文は筆記体で書くようになりました。筆記体は日本語で言えば行書体のようなもの。書き慣れると案外楽しくて、もう何でもスラスラ~と書けるようになりました。先生からも「筆記体、上手になったね。」と誉められ、私はますます英語好きになった?という感じがしました。英語って何ていい教科なんだろう!日本語以外の勉強が出来るなんて素晴らしい!と考えてました。

でも友人たちの中にはもう英語に対する敬遠・嫌いだと言い出す子が出てきました。「こんなの分からん。訳分からん。勉強するの嫌だ。」まあ、中学入学していきなり英語の授業ですから、違和感は誰もがありました。でも私はO英会話教室に行ってたお蔭で英語の勉強の面白味を知りました。どんどんこれからも勉強は進行していく。どんな形になるかは分かりません。でもまずは基礎中の基礎、アルファベッドのブロック体・筆記体の書き方の練習に精を出していました。

筆記体は書きやすいですね!今でも私は英文を書くときは筆記体を使います。でも最近私の息子と娘が私の英文を見て、「これ何?英語?読めない。」と言ってたのです。私は2人に「え~、あんたたち筆記体知らないの?」「うん、知らない。」今の英語教育では筆記体を教えてなかったことが判明したのです。