あっという間に2年目になりました。月日がたつのは本当に早く感じるようになりました。私は19歳になっていました。学校の掲示板に「オーストラリア短期留学希望者募集」との貼り紙を目にしました。オーストラリアへ短期留学。1か月の短い期間だけど、週末はホームステイ、平日はオーストラリアでも有名なブリスベーンのG大学へ体験入学出来るとのこと。行けるのは40人まで。短期留学に参加するためにはあるテストにパスしないと参加資格が得られないそうでした。

そのテスト内容とは?「English Compostion=英作文」を書くことでした。題名は「今まで英会話を学んできたことについての感想」でした。これを自分で表現法を考えて感想文として書かなくてはなりません。小学生の頃読書感想文で悩んだことよりももっと難しいと感じました。これを日本語としての感想文ではなく、英作文として自分の頭で考えて書くのです。頼りになるのは和英辞書のみ。でもチューターはなるべく和英辞書を頼らずに今まで学んできた英語力で作文を書くべきだと言いました。

さすがにNG学校。英語のスキルに対しては厳しいです。でも未知の世界オーストラリアへ短期でもいいから留学してみたい!どんな国なのか、どんな街なのか興味津津でまずます行きたいという思いは募るばかりでした。だったら試験を何としてでもパスするしかありませんでした。

試験の感想文は自宅で書くように言われて私は和英辞書を片手に机に向かってました。今までの感想文を英文にして書くと言うことは私にとっては難易度が高いものでした。何としてでも留学メンバーの40人のうちに入りたい!それにはこの英作文を良い表現法で書かなくてはチャンスを逃すかもしれないという思いが私を支えてくれました。オーストラリア短期留学で本当の英会話をマスターしたい!そして人生初めての海外の文化も学んでみたい!両親もOKしてくれたので、必死に感想文を書きました。

提出期限が迫ったある日、短期留学の希望者は60人いたということが分かりました。希望者が60人・・・。じゃあ20人は確実に落ちるということ。私はこの時、自信を失いかけてました。40人の中に私なんか入れやしないと。レポート用紙に私なりの感想文一生懸命書いたけど、果たしてパスできるのかどうか?不安感が常に襲い始めました。そして試験の感想文の提出の日。窓口の人に試験用の感想文を提出しました。合否の発表は1週間後。ああ~、ドキドキしながら合否を待つことになりました。

合否のまだ出ない1週間の間私は落ち着きませんでした。落ちたらもう短期留学は出来ないんだ・・・。チャンスはもうないのだと。授業も上の空で聞いていました。何も手が付かず、夜も眠れず、週末は寝込んでしまいました。頭の中はもう「私は不合格かもしれない、オーストラリアには行けない。」と激しく落ち込んでました。試験用で書いた感想文も何だか滅茶苦茶だったし・・・と。

そしてついに合格発表の日が来ました!掲示板に短期留学作文テストの合格者40人の名前が学校の掲示板に貼り出されていたのです。私はドキドキしてしまい、掲示板を見る勇気がありませんでした。でも丁度その時傍にいたクラスメートのXさんが「貴方の名前あるよ。一緒に行けるね。」と言ったのです!「え?私の名前がある?」私は半信半疑で掲示板を覗きました。そしたら順位ギリギリの38位で短期留学の権利を握ることが出来たのです!この瞬間私は今までの緊張感がすっかり取れて「やったぁ~!これで短期留学に行ける。」と。40位までの下から2番目の38位。でもいいのです、順位など。