オーストラリアに来てG大学の寮に滞在する生活。朝食は毎日スクランブルエッグ、ベーコン、トースト1枚、サラダ、牛乳でした。でも日本と違ってベーコンとスクランブルエッグは何だかサラダ油でべたべたした感触でした。別に不味かったわけではないのですが、何だかサラダ油の量が多すぎるのではないかと思いましたね。何だかねと~っとしていて、オーストラリアの食事に慣れてない私たちは朝から胃もたれを起こしてました。

最初の1週間は物珍しさで美味しく食べてましたが、そのうち段々飽きてきました。やっぱり私は日本人。母の毎朝作ってくれる味噌汁の味が恋しくなりました。だからベーコンとスクランブルエッグを省いてトースト、野菜サラダ、牛乳で済ませるようになりました。これは2週目に入ってしばらくしてからのことでした。

短期留学の英会話の勉強も日増しに熱が入るようになってきました。毎日特訓の連続でした。挨拶はちゃんと出来なくてはならないし、簡単な日常会話は絶対に出来るようにならないといけない、いわばスパルタ教育のようなもので、厳しかったです。でもあんまり連日厳しいのもなんだからということで講師からオーストラリアの文化についてのお話があったり、時には歴史の話があったりしました。オーストラリアは移民の国で、遠くからはイギリス、フランス、ドイツといったヨーロッパから移住してくる人々が多かったとか。その他ではアメリカ、カナダ、中国、韓国なども移民でやってくる人たちも大勢いたのです。

ある日、外出許可が出たので、私は仲良しになった友人たちとブリスベーンの街中を散歩がてら買い物を楽しみました。ブリスベーンの街中はとても賑やかで人であふれかえってました。お土産を買いたいと思ってある店に入り、皆で色々お土産用のものを選んでました。この時代、まだオーストラリアへの日本人観光客は珍しかったらしく、店員が英語で「観光で来たんですか?」と聞いてきました。私たちは「はい、そうです。今日は買い物で街中を歩いてます。」と答えたんです。すると店員の顔が。もしかして私たちの話した英語が通じて無かったのでしょうか?理解できてない様子でした。もう一度同じことを言ったのですがやはり理解できてないようでした。何が理解できてなかったのでしょう?英語なのに。後で分かったんですが、実はオーストラリアは独特のなまりがあり、例えばToday(今日)はアメリカではトゥデイと発音します。でもオーストラリアではトゥダイと発音しないと通じないと判明し、なまり英語では通じない、私たちの今まで勉強してきた英語の発音はアメリカ英語の標準語だったのでした。ですからアメリカ英語ではオーストラリア人には通じない所が沢山あったのです。日本語にも名古屋弁、関西弁、東北弁などのなまりがあるのと同じで。

さすがにオーストラリアでアメリカ英語が通じない所があると初めて分かりました。I(私)とアメリカ英語で「アイ」と言っても通じなかったです。でもオーストラリア英語はアメリカ英語と違い、話し方がゆっくり目だったので聞きとりやすい面はありました。現地の人たちはアメリカ英語風に早口で話されると理解できないみたいです。

「How much is it?(それいくらですか?)」の言い方もアメリカとは違ってたような覚えがあります。その他も単語に対して同じ英語であってもなまりの強いオーストラリア英語は違和感だらけでした。

国によって同じ英語を話していても時には通じないことがあるということも勉強になりました。良い体験になりました。